情緒通級指導教室は、発達障害などにより情緒面で特別な支援を必要とする児童生徒が、通常の学級に在籍しながら、週に数時間、別の教室で専門的な指導を受ける場です。
「通級指導教室」の一種で、主に以下のような困難を抱える子どもたちが対象となります。
* ADHD(注意欠陥・多動性障害):不注意、多動性、衝動性などがあり、学習や集団行動に困難がある。
* ASD(自閉スペクトラム症):対人関係やコミュニケーションが苦手で、特定の物事への強いこだわりがある。
* LD(学習障害):読み書きや計算など、特定の学習領域に著しい困難がある。
* 不安障害、選択的緘黙など、情緒的な課題を抱えている。
教室での主な指導内容)
情緒通級指導教室では、児童生徒一人ひとりの状況に合わせて、個別の支援・指導計画を作成し、以下のような支援を行います。
* ソーシャルスキルトレーニング(SST):友達との関わり方、気持ちの伝え方など、社会生活を送る上で必要なスキルを身につけるための練習を行います。
* アンガーマネジメント:怒りやイライラなどの感情に適切に対処する方法を学びます。
* 集中力の向上:集中して学習に取り組むための工夫や、集中力を高めるトレーニングを行います。
* 学習支援:それぞれの学習上のつまづきを補い、苦手な部分を克服するための支援を行います。
* 自己理解の促進:自分の特性を理解し、強みを伸ばし、困っていることへの対処法を考えます。
* リラクゼーション:ストレスを軽減し、心を落ち着かせるための方法を学びます。
目的)
情緒通級指導教室の最大の目的は、児童生徒が情緒面での課題を克服し、学校生活や集団の中でより豊かに生活できるようになることです。
また、通常学級の学習や友人との交流が円滑に進むよう、必要なサポートを提供することで、自己肯定感を高め、将来の自立を支援することも目指しています。
利用の流れ)
通常、保護者からの相談や、担任からの提案をきっかけに、教育委員会や学校の専門家が連携して、通級指導の必要性を判断します。その後、個別の支援・指導計画を作成、通級が開始されます。
もし、お子さんの発達や情緒面で気になることがあれば、学校や地域の教育相談窓口に相談されてください。