①の続き
この時、大袈裟かもしれませんが私は腹をくくったように思えます。
息子の口から出させてしまった言葉
今まで何回も見てきた悔し涙と苛立ちの涙
そばで見てきて、もう限界なんだなと感じました。
お母さん!助けて!と言われているのと同じです。
でも、いつも息子が「できない」「やりたくない」といった時に
私が投げかける言葉があります。
「じゃあ、どんな工夫をすればできると思う?」
それをもう一度聞いてみました。
「学校が楽しくないのは分かる。じゃあ、どうやって学校を楽しむ?○○の工夫は何?」と、聞くと
「学校でもiPadを使いたい。」と答えました。
私は、その時「分かった。使えるようにお願いしてみるから少し待って。」そう彼に伝えました。その時同時に、これがダメだったら、学校に行かなくていいよと伝えようと思いました。
学校でのiPad使用許可を頂くお願いをしたのが、4年生の3学期終盤でした。
学校とすれば、卒業式まじかで先生方も忙しい。しかも、いままで学校内で前例がない。という事を考えて、納得いただければ、先生方の負担がなるべく少なくてもスタートできる形にしなければいけないと思いました。
ですので、学校側にご説明に伺った際に、以下のような文書も持参いたしました。
・iPad使用の必要性と、使用に伴い出来るようになること
「書く事」=カメラで撮影 「読む事」=音声読み上げ教科書 「覚える事」=音声録音
・このような支援が、将来彼のどのような場面の有効性に繋がるのか。
・想定される問題の対応策案
(学校・先生方の対応)
(クレスメイトへの対応)
(クラスメイトの保護者への対応)
同席していた校長先生が「ここまで考えて下さったなら問題ないでしょう。」とおっしゃってくださり、その場で承諾を頂きました。
快諾を頂けた理由に、今まで本人も努力していた実績と学校や家庭、専門家の意見を取り入れながらの配慮があった事も大きいと思います。
そして、iPadを取り入れる時期も、本人の受容も出来ていて周りのお友達も高学年で落ち着いてきた事も要因かと思います。
5年生になり比較的早い段階で、クラスメイトに対し、私がパワポを使いながら、どうして彼が学校でiPadを使うのか?これを使うと今困っている何が改善されるのか?
そして、それはずるい事なのか?そうではない事なのか?
をお伝えしてきました。
生まれた時からタブレットやパソコンがある環境で育った彼らは、私の心配をよそに
「そうなんだ。ずるくないよ。」といった、当たり前の雰囲気でした。
とてもとても、私自身がほっとしたのを覚えています。
そして、その日息子が帰宅するなり「ママ!今日はありがとう。」と満面の笑みでお礼を言ってくれた顔は私にとって、宝物以外何物でもありません。思い出すたびに涙が出ます。
実際、学校でiPadを使い始めて
お友達間とのトラブルはなく、むしろこんなうれしいエピソードがありました。
最近眼鏡を使い始めたが、まだ慣れなくて長時間つけると頭が痛くなってしまうので目を細めて黒板の字を見ているお友達に対して、息子はiPadで黒板を撮影し、文字を拡大させお友達に「見る?」と渡したところ、「ありがとう。○○と同じ班でよかった。」と言われたそうです。
そのエピソードをこんなこと初めていわれたと少し恥ずかしそうに教えてくれました。
iPadを使用することで、理解に集中できるため、心身ともにいい意味でゆるんだと思います。結果、宿題も出来る事を担任の先生と自分で決めてやり、テストの結果をみても理解が高まっているのが明らかでした。
息子は元々知的欲求が高いタイプだと思います。
それ故か、与えられた課題にあまり興味を持たない傾向にあります。
しかし、自分で工夫が出来るワンクッションがiPadで入ることにより、楽しみが見いだせたのも大きいと感じています。
現在も、日々困りごとは出てきます。
しかし、誰しも生きていれば困りごとぐらい出てきて
それを、越えたければ超える方法、越えたくなければ違う道といった
選択することの社会勉強を息子は早くから出来ているのだと思います。
みんなと同じ方法じゃなくても、これなら出来る!を沢山積み上げ、今この成長の瞬間を学校のお友達と一緒に過ごせていることに感謝しております。
最後に
吉田先生によく言われていた言葉があります。
「今できなくても、出来る時がくるから。」
カタカナが書けない時
音読が出来ない時
五十音が覚えられない時
出来ない不安で頭がいっぱいだった私に、言い続けて下さった言葉。
「先生!本当ですね。息子が漫画の本読んでいます。氏名を1文字だけ漢字で書くようになりました。出来る時が来るんですね。」
息子と私を、いつもいつも支え続け、導いてくださる吉田先生の存在無くては、今日の喜びはなかったと思います。この場をお借りし、御礼を申し上げたいです。
そして、今回私の拙い文章が、同じような悩みを持った方をサポートするうえで、少しでもお役に立てれば嬉しいと思います。
関わって下さる方、全ての方へ感謝を送らせて頂き、文章を閉じさせていただきます。
いつも、ありがとうございます。
お読みくださりありがとうございました。
現在の具体的な支援内容は、今後の研修会等で紹介していく予定です。
ご興味のある方はご連絡ください。