質問が多いテーマを解説します!
そもそも「通級」と「支援学級」は目的が違います。
• 通級指導教室:
通常学級で学ぶ子が 特定の困りごと をピンポイントで克服する“補習室”イメージ。
➜ 国語だけ、発音だけ、注意集中だけ…など“部分的支援”が前提。
• 知的障害特別支援学級:
読み・書き・計算・生活スキルまで 学習全体をアレンジ。
➜ 教科の内容や量そのものを調整し、日常生活スキルも一緒なな学ぶ場所。
なぜ知的障害で「通級」が設定されていないの?
1.教科全体をアレンジする必要がある
通級は「学習指導要領どおりの単元」を前提に補う仕組み。
知的障害の場合は、教科目標そのものを分けて設定するため、枠組みが合わない。
2.授業の大半を通級にすると“実質支援学級”になる
週8コマ(標準上限)を越えて教科全体を引き取ろうとすると、時間割がほぼ支援学級と同じに。制度を二重にする意味がなくなる。
3.評価方法と進級判定が違う
支援学級は数値成績ではなく、ルーブリック評価や到達シートを用いる。通級は通常学級の成績+補充記録の並列方式なので、仕組みを分けた方がシンプル。
今後どうなる?(2025 改訂の動き)
• 文科省は「通級でも一部教科を扱える」方向を検討中。
ただし知的障害については、特別支援学級を基本としつつ、必要に応じて通常学級との交流を増やす方針を維持。
• 交流授業や行事参加は年ごとに柔軟に増やせるので、支援学級でも“インクルーシブな学び”は十分実現可能。
保護者ができること
• 困りごとが“全教科にまたがる”か“部分的”かを見極める
• 支援学級+交流授業で通常学級とのつながりなどを担任と相談
• 年2回の 個別教育支援計画(IEP)見直しで、交流の割合をアップデート
子どもの学びに“合う・合わない”はそれぞれ違います。
不安や疑問は遠慮なく学校や就学相談窓口、そして私たち CASE Japan にご相談ください!